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海外研修レポート 平成28年 タイ編

  • 2017年2月8日
  • 読了時間: 31分

更新日:3月21日

平成28年秋季海外駐車場研修会(10月6日~10月12日) 参加レポート


後編(10月10日~12日)タイ編


株式会社駐車場綜合研究所

コンサルティング事業本部

エグゼクティブコンサルタント

木村 直子



10月10日(月) バンコク視察


バンコク視察2日目、晴天の中、一行は本日の講演会会場である、クラウンプラザホテル・ ルンピニ公園にバスで移動します。


クラウンプラザホテル・ルンピニ公園
クラウンプラザホテル・ルンピニ公園

黒田専務理事による挨拶・講師の紹介
黒田専務理事による挨拶・講師の紹介

会場はホテル上層階のコンベンションフロアで、午前中の会議セッションでは、タイ国トヨタ自動車株式会社、シニアエグゼクティブアドバイザー、岡山豊氏と日本駐車場開発(タイランド)株式会社、代表取締役社長、川村憲司氏からご講演いただき、午後はタイにおける渋滞解消プロジェクトの現地視察を行うという大変興味深いプログラムが組まれています。


黒田専務理事(全日本駐車協会)の挨拶に続いてご講演いただいた2つのプログラムの内容をご紹介します。



トヨタモータース・タイランド シニアエグゼクティブアドバイザー 岡山豊氏 ~渋滞解消社会実験プロジェクト「サートンモデル」~


岡山豊氏
岡山豊氏

本プロジェクトは、WBCSD Sustainable Mobility Project 2.0(SMP2.0)の拡大事業として実施された。


WBCSDは、企業人達もサスティナビリティを考えなくてはならないという理念の下、 世界の200社位の企業TOPが集まった組織であるが、SMP2.0は車が社会のために役立ってきたことを認めつつ、そのネガティブな側面を最小化して、人や物の自由な移動の価値を最大化し、豊かな社会づくりへ貢献、地場の企業や市民が協力して新しい社会システムを実現し、ひいては新産業の創生に繋げることを目的としている。


自動車、エネルギー、情報、インフラ関連の15社が参画し、世界6都市で実証実験が行われている。アジアでは中国の成都、タイのバンコク、インドのインドールの3都市が選定されており、バンコクはトヨタが担当している。


渋滞解消社会実験プロジェクト実施の背景

バンコクは道路渋滞も世界有数な状況にあるが、政府としてこれらに対処するマスタープランは存在し、鉄道を現在の8倍(BTS(高架鉄道)を10路線・464km延伸)に整備することとなっている。


とはいえインフラ整備の進捗を待つだけではなく、交通需要のマネジメント(デマンドコントロール)も行っていかねば問題解決は出来ない。具体的には、パーク&ライド、シャトルバス等を活用した「物理的な需要のシフト」、フレックスタイム制度による、「時間的な需要のシフト」更にはルートガイダンスにより空いている道へクルマを誘導する等の 「空間的な需要のシフト」など施策が考えられる。また、交通流のマネジメントという視 点からみると、渋滞原因には簡単なことで解決できそうなものもあり、「手動で操作されている信号操作の適正化」や「交通ボトルネックの除去」といった施策も考えられる。


社会実験の対象としたのはバンコクの中心部、チャオプラヤ川西岸から都心への入口となるサートン道路(3.2km)である。バンコクの中でも1、2を争う渋滞で有名な道路であり、近くに私立学校が3校あり父兄が児童を送迎する車が流入し、朝夕は平時よりもさらに渋滞が深刻化する。今回は第3回の実験であり地元の大学と協力して行っている。



渋滞解消社会実験プロジェクト「サートンモデル」の概要

期間

2015年4月~2016年12月

助成先

チュラロンコン大学

助成額

約1.1億タイバーツ(日本円で約4億円)トヨタモビリティ基金より助成

事業目的

  1. 交通流および需要の管理に加え、多様な交通手段を提供することで、深刻化するバンコクの交通渋滞問題を緩和し、円滑で効率的な人の移動の実現を図る。

  2. 交通流が集中するサートン地区をモデルとし、バンコク全体の交通コントロールにむけて、官民学および一般市民を包括した形の「ロードマップ」を作成する。

  3. タイ政府への提言を通じて、将来的にサートンモデルの横展開を狙う。

実施内容

  1. シャトルバスの運行

  2. パーク&ライドシステムの構築

  3. 交通情報提供のための情報システム(モバイル・アプリケーション)の開発

  4. 交通シミュレーションによる交通流ボトルネックの特定と対策の評価

  5. 手動信号機の運用最適化

  6. フレックスタイム制の導入


ロードマップ

2014年 6月

プロジェクト発足。国家プロジェクトとして、交通省(MOU)、タイ王宮警察警視庁、バンコク都庁、トヨタで覚書を締結。その後2回の社会実験を実施

2016年 6月

第3回社会実験を実施

2016年11月

第一週、アーコム交通大臣、ソムキット副首相が議長の政府交通マネジメントボードミーティングに提案

2016年12月

プロジェクト終了予定


交通流のマネジメント/ボトルネック対策

渋滞原因は比較的シンプルであり、対策も明らかな場合があるがこの国ではステークホルダー間の調整が非常に難しい。そこで、先ず市民の声をインターネットで収集し、調査を行なったうえで、対策シュミレーションモデルを作成、その結果をもとに関係官庁と協議するというステップを踏んで施策を進めた。


具体的な対象は沿線に生徒数6,000人のBCC学校であり、児童送迎の車が片側4車線のうち3車線をふさぐ状況にあったものを、降車レーンへの誘導徹底と比較的空いている逆方向側の1車線分をリバーシブル・レーンとして使用する施策をとった。



パーク&ライド駐車場

日本駐車場開発様協力の下、パーク&ライド駐車場(7地区、15箇所、2,794台)をショッピングモールや駅近くの遊休地に開設した。2,000人の目標に対して525人が利用している。


駐車料金は1,500THB/月程度であり、セキュリティ設備も完備しているのでリーズナブルな設定であるにもかかわらず利用者が少ないのは、タイの人々には渋滞によるガソリンや時間の無駄よりも、目に見える駐車料金の支払いを惜しむ気風があるものと推測している。午後視察してもらうプートンブリ駐車場は、パーク&ライド駐車場の条件に合致し、利用が多い。



シャトルバス・ライドシェアによる改善

生徒用と企業用に分け、シャトルバスとライドシェアを複数のパターンで実施した。


⑴生徒用

①スクール用シャトルバス(駅→学校) ②スクール用シャトルバス(自宅→学校) ※セキュリティ上は良いが、各生徒の自宅を回る為時間が掛かる点が問題となる。 ③ライドシェア(先生の車に同乗) ④ライドシェア(父兄の車に同乗)


⑵企業用

①シャトルバス(複数の企業を巡回) ②企業用ライドシェア(同一企業の勤務者を自宅でピックアップ) ※日本と同様、ウーバーの様な他人同士のシェアリングは法律上禁止、知合い同士は可能。



手動信号機の運用適正化

現状は驚くべきことに交差点のポリスボックスで警察官が信号を手動で操作している。運用基準もない為、担当が代われば信号操作も変わるという状態にある。そこで、警察官に信号シミュレーターを使用した交通エンジニアリングの取得支援を実施するとともに、交差点を中心にセンサーを設置しポリスボックス内のモニターで渋滞の長さを表示することで交通データの視える化を行い、警察官が持っている暗黙知の既視化と改善を図った。



社会実験の結果概要

以上の様々な施策の結果として朝の通勤時の渋滞が以下のように改善した。


⑴交通流率(一定時間内の交通量)と旅行速度 交通量は開始前と比べ、スラサック交差点で12.6%向上(通過台数=422台/h増加)市西部(トンブリ地区)から都心部(ナラリントン)へ向う旅行速度は28~68%向上。


⑵信号待ち渋滞長の変化 スラサック交差点の西側の渋滞長が約1km位短くなった。(渋滞長が実験前の3km以上から2km程度に改善した)これらの結果から判るのは、交通量が10数パーセント変わるだけで渋滞は大幅に改善されるということである。



第3回社会実験結果の共同記者発表

2016年8月1日(月)、交通省にてアーコム交通大臣他、関係官庁のトップが出席のうえ実験結果を発表した。大臣からは官民が協力し顕著な効果がでたことを評価するとともに、今後は他の道路や地域に展開することが確認された。



ロードマップと今後の課題について

今回の施策を継続的に実施していくロードマップの根幹をなすのはコラボレーションであると考えている。政府、民間、学術関係者等がバラバラに動いていたものを同じ方向で協力していく仕組みを確立していくことが重要である。特に従来からあるハード面のマスタープランだけでなく、ソフト面でのマスタープランも加えてうまく働くようにしていかねばならない。


行政と民間のコラボレーションに関しては、民間の力を引き出すインセンティブも必要である。例えばパーク&ライドに関しては民間が行う場合に整備コストを駐車料金が見合わず採算が取れない一方、政府が整備している同様の駐車場は契約率が極めて低いといった アンバランスな状況があり、これらは官民で役割分担して整備・運営を行なうことが望ましい。これは将来の鉄道延伸を考えれば、パーク&ライド駐車場の絶対数が足りないことは明らかなので新たな仕組みが必須である。


信号制御についても同様に道路へのセンサー設置はコストがかかるが、近い将来コネクテッドカーが登場してくると車自体がセンサーと同様の機能を有することになり、クルマから送られてくるプローブデータ(検証資料)を分析すれば新しい形のコントロールが可能になる。この場合は、民間が提供するデータを官が購入して活用することとなり、新しい形のコラボレーションになる。


最後に、企業側の取り組みとしてフレックスタイム制度の導入も効果的である。実施により、一人当たり平均通勤時間が1.5h/日減らせるというデータもある。しかし生活スタイルを変えることとなるので、普及させるにはどのようにインセンティブを働かせるかが課題である。経済団体が各企業へ推進を促したり、各企業においても従業員が通勤時間の短縮がCO2削減にも貢献できることを啓発するといった、企業と個人の双方の背中を押す施策が必要である。



質疑応答

(銀座パーキングセンター:松澤壮一氏)


Q1

朝の渋滞時において学校への送迎車は自宅に戻るとして、通勤車については収容できるだけの駐車場は整備されているのか?また通勤車は料金を支払って駐車する習慣はあるのか?


A1

全体として収容台数は全く足りていない。また朝の渋滞が発生する原因は学校への送迎車両と通勤車のそれぞれのピークが重なっていることによる。従って学校が休みの期間は渋滞が解消する状況である。有料駐車に関しては管理職以上には企業が無償で駐車スペースを提供している。また駐車場の情報が全く流通しておらず、同一地域での月極料金の差が激しい。一般への情報提供の面で課題がある。



(遠藤興産:遠藤隆三氏)


Q2

学校送迎車を減らせば渋滞が緩和することが明らかであるとしたら、殆どの国でスクールバスの利用促進が図られていると考える。スクールバスが定着していない要因は何か?


A2

スクールバスが定着しているのは、日本人学校やインターナショナルスクールのみである。これはバスを運行出来るだけの金銭的余裕があることと、開校当初からバス利用していることからスクールバスは当然あるものという意識があるからである。スクールバスの実験を行った学校の父兄は相当の富裕層であるので金銭的な問題ではなく、お金を持っていてもバス料金を支払わなければならないことや交通行動が変わることへの抵抗感があるからであると考える。



(日本ガレーヂサービス:小清水琢治氏)


Q3

以前にバンコクで足掛け5年位駐在していた経験から、理屈とは別にパーク&ライド駐車場の1,500THBを自己負担することを渋る気持ちは良く分かる。タイではガソリン税以外は日本の車検制度のように自動車の維持コストがかからないので、政府が混雑を解消する目的で新たに渋滞税を課税して負担感を増す提案をしたことはあるか?


A3

北風と太陽政策ではないが、バランスが重要である。クルマでの移動を制限する施策だけでは人々が動けなくなるため、同時に代替政策を提供することも大切だと考える。



(東京ガレーヂ:小清水琢磨氏)


Q4

駐車協会の技術委員長をしている関係で質問させていただきたい。渋滞によりエンジンを回す時間が長くなる程、大気汚染につながると思うが、タイにおいては厳しい基準を設けているアメリカや日本のような排出ガスの数値基準はあるのか?また環境対策において日本では経済産業省と環境省では視点が異なる考え方で政策を進めているが、タイでも同様な状況はあるか?


A4

車の排出ガス規制については先進国と比較すると1~2ラウンド程の遅れはあるものの確実に進んできている。大気汚染に関しては大型ディーゼル車の市中への乗り入れがなく、石炭を使う大型火力発電所も少ないため、中国などと比較すると大分良い状況にある。一方で燃費については非常に遅れており基準はない。ようやく欧州モードの様な燃費基準に照らしてCO2税を負担するルールが始まったところである。官庁間の連携については残念ながら弱く日本の方がはるかに進んでいる。



(三菱地所:伴襄氏)


Q5

17年前にバンコクの地下鉄現場を視察したことがあるが、マストランジット(大量輸送交通機関)の整備状況はどのようになっているか?パーク&ライドとも関連するが、マストラが交通渋滞を緩和する効果は大きい。


A5

現在、MRT(地下鉄)1線、BTS(スカイトレイン)2線、BRT1線が整備されている。 これを今後7年(実際には10年程必要か?)で5倍から8倍に延伸すると発表されており、鉄道はトヨタの工場があるサムロンまで延伸する予定である。しかしながら、東京のように500mに1箇所の密度で駅が整備されるようになるのは夢物語であると思う。従って人を家から駅、駅から目的地へ運ぶためのソリューションとしては、パーク&ライドの他、新しいモビリティ活用、ライドシェアなど、様々な方策を考えていかねばならない。駐車場は非常に重要な役割があると考える。



(エンゼルパーク:河竹徹氏)


Q6

都心部における交通渋滞の原因は車の量が圧倒的に多いこと、或いは駐車の車が道路の脇にあり車線を塞いでいることのどちらが当て嵌まるか?


A6

車の量が多いことであると思う。以前にバンコクと東京、シンガポール等の都市と比較したことがあるが、バンコクは道路の延伸距離が少ない。またバンコクは運河により発達した町でもあるので、道路が運河の先で整備されず込み入った構造になっている。更に道路整備の為に土地収用も難しい事情がある。先程ふれたように土地収用された土地は当初の目的以外の用途では利用できないという制度上の縛りに加え、タイでは相続税がない為に一度取得した土地を手放そうとしない。これらが相俟って道路に比べて車の多い状態が解消できていないと考える。



Q7

そのような状況にある中で、名古屋市におけるコンパクトシティ政策のように、中心市街地への車の流入を制限しようという考えはバンコクの行政にはないのか?


A7

現政権は軍事政権であるが支持基盤がアッパーミドルであることから渋滞対策を求め る声はある。先日、3つの施策について首相より副首相に検討するよう指示があり、その1つに自動車ナンバーの奇数・偶数施策(曜日毎にナンバーの下一桁が奇数か偶数により乗入を規制する施策)が含まれている。しかしながら、その実施については大学教授等もプライオリティが高いと考えておらず、他の施策を行ってなお渋滞が解消しない場合の最終手段ではないかと捉えられている。




日本駐車場開発(タイランド)株式会社 代表取締役社長 川村憲司氏~タイの駐車場事業、交通渋滞解消プロジェクト~



日本駐車場開発(タイランド)株式会社 代表取締役社長 川村憲司氏

日本駐車場開発(タイランド)株式会社 代表取締役社長 川村憲司氏



日本駐車場開発がなぜタイで仕事をしているか

先ず弊社の概要をご説明する。平成3年に設立され東証一部に上場しており主要株主はトヨタ自動車である。駐車場総合コンサルタントとして、サブリース、管理・運営を行っており、管理現場は丸の内のビル等も含め、約1,350箇所ある。またスポーツ・観光事業としてスキー場等の観光資源を再生し地域を活性化する取り組みを行っている。スキー場8箇所を所有し、最近では那須ハイランドパークを取得してテーマパーク事業を開始してい る。


企業理念は「ハッピートライアングル」であり、オーナー・ユーザー・社会の3つが正三角形を描き、関わる全ての人がハッピーになるビジネスを目指している。またビジョンは「世界100都市に事業展開を行い、100人の社長を輩出し、100年続く会社」としており、事業を長く続けることにより社会に貢献出来ると考え、こうした点に重きを置いている。


事業展開するうえでは、オーナー・ユーザー・社会のそれぞれのニーズの間で発生するニーズのギャップを解消することをビジネスチャンスに繋げてきた。グローバル事業についても同様で、進出先には欧米諸国も検討したが、経済成長に伴ってギャップが拡大している地域ということでアジア中心となっている。現在タイ、中国、韓国、インドネシアで事業を行なっており、今後はフィリピン、ベトナム、ミャンマーなどでも事業展開を目指していきたい。


タイには6年前に進出した。進出の理由は経済成長に伴い自動車が増えている一方、駐車場が少なくギャップがアジアで一番大きな国であることによる。現状タイでは駐車場に料金を払うという意識が低く料金も安いが、将来は駐車料金を値上げしてビジネスベースに乗せて事業として成立させ、同時に社会貢献も図っていきたいと考えている。


駐車場業が成立するには幾つかの条件がある。先ずは車を停める為にお金を払うという民度が必要である。また事業として成立させるためには、概ね月極で1万円/台程度支払ってもらうことが必要である。当社で運営している駐車場でいえば、パーク&ライドで5,000円、市中心部の例えば、本日の会場になっているビル(ラマランドビル)のVIP駐車場で15,000円である。従って様々な工夫をしながら駐車料金を上げていくようにしている。因みにVIP駐車場は最高の場所を提供し、VIPエリアはフロアペイントや看板などで高級感を出し、監視カメラも設置し、サービススタッフを常駐させている。そうしたことにより2倍の料金を払って貰えている。


・タイはGDPも毎年増加しており、現在1万米ドル/人を超えるレベルになっている。首都であるバンコク中心部ではもっと高く、所有資産が100億から1000億ある富裕層は相当多い。そこでこれら富裕層が多くメンバーとなっているロイヤル・バンコク・スポーツクラブというクラブに入会してビジネスニーズの把握に努めるといったことも行っている。



バンコクの駐車場を取り巻く状況

バンコクにおける駐車場を取り巻く環境を把握してもらう為に計数面を説明すると以下のようになる。 人 口:約800万人 自動車:約600万台 バイク:300万台 駐車場:36万台


これらに加えて、 ①クルマが多い ②駐車場の料金は安いが数が不足している ③インフラ(電車等)が少ない ④暑いので人々が歩きたがらない といった事情が加わって激しい渋滞が起こっている。因みに歩きたがらないという点に関していえば、日本では月極駐車場の営業を行なう経験から300m(5~6分)は歩いてくれるが、バンコクでは100mが限界である。


上記の駐車場台数36万台という数は、実は公式の統計ではなく当社が独自に試算したものである。附置義務や商慣習も判るので内訳を想定すると以下のようになる。


aaa


バイクを除く車600万台に対して駐車場台数は36万台であり、需給バランスが著しく悪い。需給バランスの悪さに加え、オフィスを借りると一定割合で駐車場が無料提供される商慣習があることもビジネスを成立させるうえで課題となっている。100㎡につき1台駐車場が提供され、当ビル(ラマランドビル:3万㎡)の場合、500台分のうち300台が無料提供されるので残り200台分で稼ぐ必要がある。オフィス100㎡で従業員10名程度が働いているとすると、10人に1人(社長や部長クラス)が駐車場を無料で使用している訳であり、このような慣習が駐車場料金を支払うという認識を薄め、料金自体も低廉となってしまうことに繋がっている。この意識を変えていくことが必要である。


ここでバンコクの街を自動車の数と都市構造の面から説明したい。タイ全体の自動車台数が約600万台、年間販売台数が約75万台である。このうち、バンコクでの年間販売台数が約36万台と国全体の半数を占めている。バンコクでは1日あたり1,000台のクルマが売れていることになるのであるが、これを並べるとおよそ6kmの長さになる。市内の主要駅であるサイアム駅とトンロー駅間が6kmあるので1車線分が毎日埋まっていくこととなる。また市内は運河による水運に頼ってきた歴史もあり東西に貫通する道が少なく、メインの通りが4本のみで、それぞれ片道3~4車線、4本合わせて片道12車線程度あるが普段は大渋滞を起こしている。これに先程の想定をあてはめると、新たに販売されるクルマでこれらの道路が1カ月で全て埋まってしまうことになる。年間販売台数75万台は中国やインドネシアに比べると非常に少ないが、都市面積に対する道路面積の比率が8%と小さいことがバンコクという街の課題でもある。(因みに、ロンドン20%、東京14%)。


このような条件の下、日本駐車場開発の携わる駐車場は商業・オフィスの中心地に分布しており、2016年7月16日現在、全32箇所、9,585台を展開している。結果的には昼間の人口集積度の高いエリアに自然と営業開拓先が集中している。



我が社の駐車場ソリューションについて

⑴トヨタプロジェクト(渋滞解消)の取り組み

岡山氏が取り組まれている諸施策のうちパーク&ライド駐車場について担当している。電車、バス(BTS、NRT、BRT)の駅前中心に計2,500台分を設置する計画であったが、現状約2,800台分(15ヶ所)を開拓している。しかしながら契約数は500台に止まっており契約を増やすべく努めている。この理由はタイの人々が歩くのを嫌がることと、渋滞することが判っていても車で行こうと考える人が多いことによる。


午後にご案内するクルントンブリ駅(Krung Thonburi Station)のパーク&ライド駐車場は、中心部から3駅の立地で料金も1,500THBにしているが、採算ラインには乗っておらず、トヨタからサポートしてもらっている。


全体を網羅する駐車場情報が少なく、どこに何台空いているのか分からないため、情報整備をしていくチャンスを貰えないか検討して貰っている。



⑵駐車場のカスタマイズ

バンコクでは富裕層が所有する1億円の超高級車と数10年前のボロボロの車が同じ道を走っている。同様に所得の格差も1000倍程度あるのが実情である。そこで駐車場においても旅客機のように上ファーストクラス、エコノミークラスのように、駐車場もカテゴリー分けをしている。


ラマランドビル駐車場では、VIP5,000THB、準VIP4,000THB、普通3,000THB、LCC2,000THBというように区分しており契約者に利便性やサービスで納得感を持ってもらえるよう差をつけている。因みにLCCクラスは隣のビルで、自走式ではなくリフトで屋上まで上がるスペースである。これらの施策の結果、従来の収益が1,200THB/台であったのに対して、平均2,000THB/台まで底上げ出来ている。



⑶空いている時間帯の有効活用

ラマランドビルはオフィス・商業の複合ビルのため、夕方5時から400台以上空きが出る。一方で、ビルの周辺には歓楽街があり夕方からこのエリアで働く人達の使う車が路上駐車され、帰宅時間の渋滞の要因となっていた。そこで周辺店舗で働く人達に面談調査を行ない、車を所有している人には別途チップを渡して更に細かなアンケートを実施した。このエリアで働く女性のうち2割(1,800中、360人)がクルマを所有していることが判り、新たに夕方5時から翌朝7時まで、1泊(14時間)30THB=100円という価格設定を行ない200台程度利用されるようになっている。現在は60THBに改定しているが利用者から支持を得ている。これも駐車場の稼働率を上げつつ、渋滞解消にも通じる取組のひとつである。



⑷渋滞解消プログラム

また別の取り組みとして駐車場コンサルティングにより交通量をコントロールして渋滞解消に繋げるプログラムも進めている。場所はバンコクで最も渋滞が激しいサトーン道路のナラディワス交差点である。この交差点を囲んで4棟のビルがあるが、駐車場台数は合計5,700台ある。この4棟に働く人々に、それぞれ帰宅方向でない交差点に進入することのない駐車場への誘導を行うことができれば劇的に渋滞が解消できるのではないかという考え方である。


スライド

スライド

具体的には5,700台分の利用者が交差点の各方向(4方向)に等分に帰宅すると仮定し各駐車場の道路付等も勘案してシミュレーションすると、75%(5,025台)が交差点に進入することとなるが、これを帰宅する方面別に借りてもらうことにより、交差点に進入する台数を20%(1,175台)まで減らすことが出来る。別の見方をすると夕刻に交差点へ進入するクルマが83台/分から19台/分に減少することとなる。岡山氏の講演でも触れられていたが、10%程度の交通量の差で渋滞が発生したり解消したりするので、大きな効果が期待できると考えている。


当アイディアはバンコクの交通番組でも取り上げられ好評を博したものの、現在当社が運営を受託している1棟を除く残りの3棟へアプローチしているがなかなか成約には至っていない。



今後の駐車場はどうあるべきか

最後のまとめとなるが、バンコクの駐車場を取り巻く環境をどのように変えていくのか述べてみたい。先ずは駐車料金が無料という慣習を無くしていきたい。オフィスの空室率が低い状況で、駐車場も無料という事例は世界的にも例がなく、従来、賃貸面積100㎡当たり1台を無償提供していたものを徐々に減らしていき、3年間でこの慣習を無くそうとしている。これによって駐車ビジネスの収入ベースを上げていきたい。


次に無人化。従来は人件費が安かったことから人的対応が多かったが、年々上昇している。古い機械の故障等も考慮すると、ゲートシステムを早急に入れていかねばならないと考える。


また、駐車場の需要と供給のバランスを改善していくことも重要である。もとより車の数が圧倒的に多いが、数万台分の駐車場を上手く活用し車を駐車場に滞留させれば道路は空く。駐車場の利用率を上げる為の情報を整備することが大切である。


税制も駐車場問題に関係している。タイでは先程も触れたように相続税に関する法律が出来ているが施行されず、固定資産税もほぼ無いに等しい。従って土地の保有コストが無いので税対策として有効利用しようという発想が生まれず、都市中心部に良好な土地があっても放置されている。これが新たな駐車場の供給に繋がらない原因の一つである。とはいえ、駐車場として土地の立体活用が必要との認識は拡がりつつあり、スペースバリュー社やIHI社が実績を出されているように、マンションなどでは機械式駐車場等の導入が始まっている。


マクロ的にみればバンコクでは駐車場の立体化を進めていかないと渋滞は解決出来ないことが明らかであるのだが、立体式・機械式駐車場の整備に要する投資額から見た料金と現状のギャップが大きく、これを埋めていく為の動きが大切である。2~3年以内に4,000THB(概ね2段式の損益レベル)、5年以内に8,000THB(機械式の損益レベル)まで上げて いけるのではないかと考えている。駐車場を価値あるものにしていくことを通じてこの国の交通を改善していきたいと思う。



質疑応答

川村氏、岡山氏、前日対応頂いたスペースバリュー社瀧氏、IHI柳田氏が回答を行った。


(三菱地所リアルエステートサービス:榊俊哉氏)


Q1

パーク&ライドの契約者が少ないという話があったが、駅の近くに駐車場を作っても、下車駅から目的地が遠いと利用されないのではないか?また鉄道が4両編成の為、駅で電車に乗り切れないなどの理由はあるのではないかと思うが、実態はどうか?


A1

下車駅から目的地までの距離が影響するというのはご指摘の通りである。そこで、岡山氏が行っておられる社会実験でシャトルバス、巡回バスを駅から主要ビルへ無料運行してみたが利用は振るわなかった。この国ではそれだけクルマの魔力が強いのだと思う。電車に関しては、車が小さい上、すし詰めでも電車に乗る習慣がないので、輸送力は低い。路線の構造上単線にしないと駅に入れない箇所もあるので効率が悪いこともある。鉄道の輸送力を上げるには、ダイヤ編成の高度なノウハウと正確な運行能力が必要といわれるが、この国にはそれが未だない。その為か定かではないが国民性も相俟って、この国ではバスも鉄道も時刻表がない。



(遠藤興産:遠藤隆三氏)


Q2

人々は暑くて歩かないとのことであるが、北海道などでは寒さをしのぐ為に地下通路や地下街を整備して地下を歩いている。タイでは地下を利用しないのか?


A2

この地は地盤が悪く支持層も深いので、地下を掘るとコストが嵩み採算が取れない。また海抜が低いうえ、川も多く洪水の危険もあるので地下の利用は進まない。従って、鉄道の延伸計画も高架方式のスカイトレインとなっている。人々は暑さをしのぐため建物内の通路を通りながら歩くことはある。



(内藤ハウス:飯島登美夫氏)


Q3

日本では車の運転に飲酒制限があるので、宴席があった場合はクルマを置いて帰宅するといったことをしているが、タイではどうか?


A3

飲酒運転はこの国でも禁止されているが、捕まってもお金を払えば許して貰える風習がある。管轄が(クーデターにより)警察から軍に移った時期に厳しくなったが、しばらくすると元に戻った。飲酒運転の厳格化が必要という意見は麻薬と同様に常にある。 事故に関する対応としてクルマの任意保険で対人・対物の保険を掛けているが、この国では対人保障よりも対物保障の方が保険料が高い。(通常は対人無制限ではなく、30万~50万THB(100~150万円)が多い)



(東京ガレーヂ:小清水琢磨氏)


Q4

今回の視察にあたりタイの駐車場協会のようなところと話し合いが出来ないかと考えていたが実現しなかった。そのような組織がないのは駐車場経営がビジネスとして成熟していないからであろうか?全日駐では米国他、ドイツ、イギリスの駐車協会等と 情報交換をしているが、米国の協会は東南アジアでは受け皿となる組織がないと言っている。タイに関しては今後日本駐車場開発さんを窓口として紹介したいと考えている。窓口としてご対応いただくことは可能か?


A4

駐車場がビジネスとして成熟していないのはその通りである。タイで駐車場に一番詳しいのは、今回対応をさせていただいているIHI(タイ)柳田さん、スペースバリュ ー社瀧さん、トヨタ岡山さん、日本駐車場開発の4名であるので、よろしければ4人でお手伝いさせていただく。



(事務局:黒田専務理事)


Q5

10数年振りにバンコクに来て、空港も新しくなり、高層ビルが増えた印象がある。アメリカの都市では、セントラル・ビジネス・ディストリクト(CBD)として業務集中エリアがあるが、この街は無計画に高層ビルが建っているように感じる。日本でも都市計画、交通インフラ計画、或いは国土交通省が作成する大規模マニュアルのように、駐車場が適正に整備されマイナスインパクトを与えない運用がされているが、タイの状況はどうか?


A5

タイでも都市計画、用途地域図はある。しかしながら公称人口600万人に対して800万人の住所不明者がいて、実際は1,400万人ではないかともいわれている。日本のように地方税が住所とリンクして課税されているわけではないため、住所の登録はされていても現住所が分からないという状況もある。このような前提の都市計画となっている。


クラウンプラザホテルのビュッフェの昼食を挟んで、午後は現地視察に出掛けます。



日本駐車場開発様運営 ラムランド駐車場(Ramaland Car Parking)視察

入口料金・管理規約看板
入口料金・管理規約看板


フロア別空き台数表示看板
フロア別空き台数表示看板


入口満空看板 (フロア別空き台数表示)
入口満空看板 (フロア別空き台数表示)


アマノ社事前精算機 (バンコク唯一)

アマノ社事前精算機 (バンコク唯一)



カーシェアリング案内看板
カーシェアリング案内看板


バイク駐車場の管理を行う笑顔が素敵な女性スタッフ
バイク駐車場の管理を行う笑顔が素敵な女性スタッフ


ラムランドビルはオフィスとホテルが入居する複合施設で、自走式駐車場の入口にはフロア別台数が分かり易く表示され、アマノ製ゲート、事前精算機、車室センサーが整備されています。契約では売上の上限を設けて、収益をオーナーとシェアしているとのことでした。 料金:最初の30分無料、以後25THB/30分、20THB/4時間以降、300THB/1日最大(7H~19H)



サートン道路(Sathorn Road)、ナラディワス交差点(Narathiwas)の視察

講演で渋滞解消プログラムとして紹介されたナラディワス交差点の視察では、日本駐車場開発の2名の女性社員の方々も合流して交差点周辺の案内をサポートして下さいました。大規模な交差点で、普段は渋滞の名所ですが、学校が休みの期間でかつASEAN会議のための道路規制があり、通常時とは交通量が比較にならないとのことでした。それでも交差点を埋める車はかなりの量です。



ナラディワス交差点
ナラディワス交差点


川村社長と女性社員の方々
川村社長と女性社員の方々


スラサック交差点(Surasuk)、ポリスボックスの信号マネジメントの視察

スラサック交差点のポリスボックスでは、信号マネジメントの視察を行います。ボックス内に入れる人数に限りがあるため、ここからは2班に分かれて行動します。トヨタの社員の方々も駆け付けて見学をサポートして下さいました。ポリスボックスを出た後は、信号の視察です。路側にはセンサーが設置されている様子が見られました。



信号待ちの行列待ち表示モニター
信号待ちの行列待ち表示モニター


オペレーション風景
オペレーション風景


ポリスボックス
ポリスボックス

信号周辺にはループコイルやセンサー、カメラが設置されている

信号周辺にはループコイルやセンサー、カメラが設置されている2

信号周辺にはループコイルやセンサー、カメラが設置されている



BBC学校前道路視察

BBC学校前に移動し、午前中の講演会で説明があった、スクールバス・シャトルバスの運行、キス&ゴー、フレックスタイムの導入、リバーシブルレーン等の施策と共に、現地では見通しを良くする為に実施した街路樹の伐採やバス停留所の移動についても説明を受けました。



交差点の上からBTRで説明
交差点の上からBTRで説明


BBC学校前
BBC学校前


パーク&ライド駐車場

次にBTSに乗って移動し、日本駐車場開発様の運営するクルントンブリ駅(Krung Tho nburi Station)のパーク&ライド駐車場を視察しました。駐車場は駅直結で、キャンペーン料金の実施により人気が高く満車です。ここでは、警備員の方がポーズを取ってくれました。



クルントンブリパーク &ライド駐車場
クルントンブリパーク&ライド駐車場


クルントンブリパーク&ライド 駐車場屋根付き車室
クルントンブリパーク&ライド駐車場屋根付き車室


クルントンブリパーク& ライド駐車場男性スタッフ
クルントンブリパーク&ライド駐車場男性スタッフ


ソンブンシーフード(Somboon Seafood)での夕食

本日の視察の締めとなる夕食は、小泉純一郎元首相の来店で有名になった「ソンブンシーフード」が会場となりました。昼間講演いただいた日本駐車場開発の川村社長を囲んでの会となりました。「皆が必ず注文する」とガイドブックに書いてある蟹のカレー炒め「プーパッポンカリー」は卵と蟹の入った甘くて辛い味の炒め物です。空心菜の炒め物、トムヤムクン、蒸しエビ、イカ団子が出てきました。



川村社長を囲んでの記念写真
川村社長を囲んでの記念写真


川村社長や今回お会いした講師の方々のお話を伺っていて、異国の地で、其々のご専門の分野で助け合いながら渋滞問題の解決を成し遂げられようとして日々頑張っておられ、それを支えるご家族の皆さんもバンコクが好きで生活を楽しんでおられる様子が良く伝わってきました。



10月11日(火) アユタヤ視察


本日も晴天です。ロビーに8時半に集合し、バスで向かう先はバンコクから車で約1時間半のアユタヤです。チャオプラヤー川の支流に囲まれ、1767年にビルマ軍の攻撃で破壊されるまでの417年間、アユタヤ王朝の都としてタイの中心であった古都アユタヤには、アユタヤ王朝の遺跡が残っており跡群は歴史公園として整備され、1991年にユネスコ世界遺産に登録されました。



山田長政の日本人町跡


アユタヤの町に入ってすぐに車窓から眺めることができたのが「日本人町跡」の史跡です。少し前に遠藤周作の「王国への道―山田長政」を読んで、いつか来てみたいと思っていたため、すかさず写真を撮りました。16世紀初頭、アユタヤでは各国との公益が盛んになり、14世紀ごろに始まった日本人町も発展し、最盛期には数千人もの日本人が暮らしていたといわれます。日本人傭兵隊に入った山田長政は象で戦に出て頭角を現し、アユタヤの王から官位を与えられるほど活躍しました。現在日本人町は重要史跡として保存されています。江戸時代の初頭に異国の地に大規模な日本人が確かに存在したのだと感じることができました。



アユタヤの日本人町跡史跡
アユタヤの日本人町跡史跡


バンパイン宮殿


初めの視察先は、1632年アユタヤ王朝24代プラサート・トーン王がチャオプラヤ川に浮かぶバンパイン島に僧院として建築されたバンパイン宮殿です。その後南に池と宮殿が建築され、一時廃墟になりますが、バンコク王朝のラーマ4世・5世が夏を過ごす離宮として修復復興後は歴代の国王が過ごし、現在は国王の住居およびレセプション会場として使用されています。



バンパイン宮殿で説明を受ける一行
バンパイン宮殿で説明を受ける一行


池の中にワニと見紛うような大トカゲが!
池の中にワニと見紛うような大トカゲが!


離宮の建物と噴水
離宮の建物と噴水


トピアリーの象のモチーフがタイらしい
トピアリーの象のモチーフがタイらしい


ワット・ヤイ・チャイ・モンコン


1357年、アユタヤを建都した初代ウートン王がセイロン(現スリランカ)に留学中の修行僧たちの瞑想のために建てた寺院です。高さ72mの仏塔は、1592年に19代ナレスアン王が象にまたがり一騎打ちでビルマ王子を敗り、ビルマ軍との戦いに勝利した記念の塔で、階段があって登ることができます。礼拝堂の上まで登って眺めたレンガの遺跡がずらりと並ぶ景色は圧巻でした。



スリランカ様式の仏塔
スリランカ様式の仏塔


巨大な涅槃像が横たわる
巨大な涅槃像が横たわる


回廊に並ぶ仏像
回廊に並ぶ仏像


クルンシリ リバー ホテル(Krungsri River Hotel)


昼食はホテル内のダイニングでタイ料理のビュッフェです。晴天で暑さが続く視察旅行ではすっかり御馴染みになった、冷たいビールでの乾杯。フルーツが美味しい南国ならではの、西瓜ジュースも絶品です。



ワット・マハタート


菩提樹の根に包み込まれた仏像が有名な寺院です。アユタヤ朝時代は44mのクメール様式の黄金の仏塔がありましたが、ビルマ軍の侵攻により破壊され、現在は頭部のない仏像が多数残っています。1956年に遺跡の発掘調査が行われた際に、地下から数々の黄金仏や宝飾品が発見されました。



菩提樹の根に覆われた仏頭
菩提樹の根に覆われた仏頭


煉瓦積みの寺院
煉瓦積みの寺院


遺跡と仏像
遺跡と仏像


煉瓦積みで傾いた遺跡
煉瓦積みで傾いた遺跡


ワット・プラ・シー・サンペット


アユタヤ王宮内にあった最も重要な寺院で、トライローカナート王時代の1448年に建立され、以降はここで宮中儀式が執り行われてきました。寺院のシンボルは、東西に並ぶ3基の仏塔で、それぞれにトライローカナート王(1448~1488年)とその王子らの遺骨が納められていたと言われています。高さ40mの尖塔が圧巻です。



歴代の3人の王の遺骨を納めた スリランカ様式の3基の仏塔
歴代の3人の王の遺骨を納めたスリランカ様式の3基の仏塔


煉瓦積みの壁と柱はローマ 遺跡のようにも見える
煉瓦積みの壁と柱はローマ遺跡のようにも見える


解団式


夕方の市内商業施設で視察を兼ねたショッピングの後は、スコーソンホテル(The Sukos ol Hotel)内の中華料理の名店「リンファ(Lin-Fa)」で解団式を兼ねた最後のディナーが開催されました。レストラン内はタイの骨董品が展示され、まるで博物館にいるかのようです。本格的な広東料理のレストランですが、北京ダックも有名だそうです。解団式では各駐車協会の会長さんが視察の所感と次回の海外視察の希望地に関するコメントをお話されました。



乾杯の挨拶をされる小清水副会長
乾杯の挨拶をされる小清水副会長


各テーブルの様子
各テーブルの様子


各テーブルの様子
各テーブルの様子


各テーブルの様子
各テーブルの様子


10月12日(水) 帰国日


朝食後ホテルロビーに6時30分に集合して一路スワンナプーム空港へ出発、5泊7日の行程は大変充実したケジュールで、特にバンコクに入りしてからはあっという間に時が過ぎ去った印象です。バンコクでお世話になったガイドのワットさんとは、ここでお別れです。


常夏のカンボジア・アンコールとタイ・バンコクで過ごした5日間は雨季から乾季に向かう端境期にも関わらず雨天も少なく、大変恵まれた気候の中で視察ができました。



終わりに


今回、全日本駐車協会の海外駐車場研修会に初めて参加させていただきましたが、大変貴重な経験をさせていただきました。多岐に渡る講習内容と通常ではなかなか体験できない視察先の選定、細かい配慮があちこちで感じられたスケジューリングに深く感銘を受けました。


伴団長、小清水副会長、加藤企画委員長と奥様、企画委員の皆様方、黒田専務理事と事務局の皆様、近畿日本ツーリストの勝澤様、そして何よりも参加者の皆様に厚く御礼申し上げます。

 
 

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