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平成27年秋季駐車場研修会 参加レポート

  • 2016年1月15日
  • 読了時間: 8分

更新日:3月21日

平成27年秋季駐車場研修会参加レポート


株式会社府中駐車場管理公社 常務取締役 皆木 武志



平成27年度秋季研修会は、10月15日(木)、16日(金)に全国各地から44名の参加により実施されました。2日間とも快晴に恵まれ、大変有意義な研修会となりました。



10月15日(木) 研修初日


Ⅰ 集合場所等 午後零時15分 JR京都駅「祭時計広場」前 Ⅱ 講演会1 演題 「四条通歩道拡幅事業について」~人と公共交通優先の歩いて楽しい四条通~ 2 講師 京都市都市計画局 歩くまち京都推進室企画課長 福田敏男様 3 会場 池坊学園会議室 4 講演概要

⑴「歩くまち・京都」について

京都市は、美しい自然景観、社寺、京町家などの歴史的建物や伝統文化、風情溢れる町並みが息づくまちである。しかし、道は狭く、市内中に史跡が散らばり、エリア全体が観光スポットであるというのが、京都というまちである。そうした中、車は便利な乗り物であるが、通過交通による混雑や環境面で問題となっており、京都市では、観光客等が公共交通機関を使って京都を楽しんでいただけるよう、平成22年1月に『「歩くまち・京都」憲章』を策定するともに『「歩くまち・京都」総合交通戦略』を策定し、88のプロジェクトを推進している。その中で、四条通の整備を1つのシンボルプロジェクトに掲げている。


福田企画課長
福田企画課長


⑵四条通の特徴


ア.市内最大の商業・業務地、公共交通が集約

四条通は、京都を代表する繁華街であり、京町家など歴史的な町並みが残っている地域で、電鉄系が2社、地下鉄のほか、1日1,600本ほどのバスが通るなど公共交通機関が非常に充実している。

イ.交通

四条通は片側2車線あるが、歩道側第一走行車線はタクシー、商用車、物流車両等により駐停車場と化し、中央車線(第二車線)に約8割の車が集中していた。また、駐停車車両が原因でバスは停留所に正着できない状況となっていた。

ウ.自動車と歩行者

国交省の道路交通センサスによると、京都市のエリア試算では1台あたり1.9人が乗車しているとされている。これを四条通に換算すると、ピーク時には1時間当たり約2,200人が幅員15mの車道を利用していることとなる。逆に幅員7m(片側3.5m)の歩道では、1時間当たり約7,000人が利用しているというアンバランスな状況となっている。

⑶整備目的・内容


京都市では四条通のこのような状況を踏まえ、歩行者の快適性と公共交通の利便性を高めるとともに、中心市街地の商業施設等へ行きやすくすることでまちの活性化を図ることとした。特に、人と公共交通優先の道路とすることを目的として、片側2車線の道路を1車線に減らし、歩道を最大2倍に広げることで、歩行空間を確保するとともに、バス待ち環境を改善することとした。

また、公共交通の利便性向上のため、歩道から張り出した形状のバス停(テラス型バス停)を整備するとともに、16か所あったバス停を4か所に集約することとした。さらに、人の乗降(タクシーも可)や5分以内の荷物の積み卸しのために沿道アクセススペース(停車スペース)を設けることとした。

⑷計画案の策定

平成17年

商店街から狭い歩道の改善要望


商店街、住民、タクシー・物流事業者、交通管理者等との協議を踏まえ計画案を策定

平成26年11月

着工


⑸工事の進捗状況など


平成27年9月30日現在では、停車スペース、歩道の前出し工事などは完成し、現在は歩道の整備工事を実施しており、10月末にはおおよその工事が完了予定。

⑹工事後の渋滞の発生とその対策


ア. 渋滞の発生(3月下旬から4月上旬の桜のシーズンにおいて、バス運行時間20分→50分) ①多くの他府県車両の流入 ②バス利用者の増加による乗降時間の増 ③工事期間中における左折レーンの減少

イ.対策 ①迂回誘導看板の設置 ②バス停での案内・誘導強化、一部バス停の位置変更 ③バス運賃箱をバス停に設置 ④工事箇所の仮復旧による車線の確保

ウ.秋の紅葉シーズン(11月後半)における対策の強化 ①信号制御の見直し ②他府県からの流入車両抑制(道の駅、サービスエリア等でPR) ③パーク&ライド駐車場の利用促進など

⑺現在の状況


歩道の拡幅により従来では考えられなかったべビーカーや車椅子利用者が増えてるなどの効果があらわれている。


片側2車線から1車線となった四条通
片側2車線から1車線となった四条通

拡幅された歩道とテラス型バス停
拡幅された歩道とテラス型バス停

タクシー乗り場
タクシー乗り場

沿道アクセススペース
沿道アクセススペース

Ⅲ 楽しいひととき・長浜での意見交換会


京都市内の四条通を視察した後、バスで2時間ほどをかけて宿泊先である琵琶湖のほとりの長浜ロイヤルホテルへ移動。ホテル到着時はちょうど日没時間となり、日本一大きな湖に沈む夕日を見ることができました。まさに夕焼けの絶景スポット。午後6時30分からの意見交換会では、全国から参加されている会員の皆様方とご挨拶をしながら有意義な意見交換をさせていただくことができました。


琵琶湖から望む宿泊先の長浜ロイヤルホテル
琵琶湖から望む宿泊先の長浜ロイヤルホテル


ホテル近くの長浜城
ホテル近くの長浜城


10月16日(金) 研修2日目


Ⅰ 庭園から望む天守が美しい・彦根城


彦根城は、初代藩主井伊直政の嫡子・直継と直孝によって元和8年(1622)に完成。緑の小高い丘に白亜の天守をいただき、二重の堀に囲まれた城郭がほぼ昔のままに残されています。天守が国宝に指定されているのは、松本城、犬山城、姫路城そして彦根城だけだそうです。天守は三階三層で、壁、軒裏、破風(はふ)を漆喰で塗り込め、金箔を押した飾り金具や黒漆を多用した華麗な意匠が特徴とのこと。また、牛蒡(ごぼう)積づみと呼ばれる石垣も一見粗雑に見えるものの趣があります。


彦根城(庭園から望む天守)
彦根城(庭園から望む天守)


徳川家譜代大名の城であるにもかかわらず、彦根城が明治時代初期に解体されずに残された理由については諸説あるようですが、彦根藩が譜代筆頭でありながら、早くから新政府に協力したという功績がその背景にあったようです。

いずれにしても、姫路城などと比べると城全体の規模はやや小さいものの、庭園・玄宮園(げんきゅうえん)から眺める天守や堀などは美しく、とても素晴らしいものでした。


彦根城の天守
彦根城の天守


彦根城(お堀といろは松)
彦根城(お堀といろは松)


Ⅱ かつての比叡山里坊での昼食


彦根城の見学後、バスで大津市坂本まで移動し、芙蓉園本館での昼食です。延暦寺の門前町坂本に居住地を置く石工集団は穴太衆(あのうしゅう)と呼ばれ、安土城や彦根城などの城郭や寺院などの石垣を積んだことで知られ、石垣は大小の自然石を加工せずにがっしり組む堅固な構築が特徴とのこと。昼食場所となった芙蓉園もかつては比叡山の里坊だったそうで、敷地内には苔むした穴太(あのう)積みの石垣が積まれていました。

昼食は、ゆばや湯豆腐などが少量ずつ、多種類の料理が品良く並び、本当に満腹になりました。このメニューを選んだ事務局の方のセンスに脱帽です。


芙蓉園での昼食
芙蓉園での昼食


Ⅲ 1200年の歴史・比叡山延暦寺


昼食後、世界遺産「比叡山延暦寺」を目指します。途中のドライブウェイからは、眼下に琵琶湖と大津市内が一望でき、ガイドさん曰く「年に数回見られるかどうかの好天による稀に見る眺望」とのこと。延暦寺は、言わずもがなですが伝教大師最澄が1200年前開山した天台宗の本山寺院。中心的建物の根本中堂は、織田信長による焼き討ちの後、徳川家光により再建されたそうです。


比叡山延暦寺
比叡山延暦寺


今回の視察では、特別に延暦寺の小林事務長によるご案内をいただき、延暦寺の歴史や、最澄の教えである「一隅(いちぐう)を照らす」などについて、巧みな話術でお話を伺うことができました。「一隅を照らす」という最澄の教えは、一人ひとりが自らの心を高め、それぞれの持ち場で全力を尽くすことによって、社会全体が明るく照らされていくということで、小林事務長の最近の風潮や出来事などの様々な例を挙げての説明は、大変分かりやすいものでした。人間としての生き方、組織人としての在り方など、短い時間ではありましたが、大いに考えさせられました。

また、根本中堂内では油断大敵の語源ともいわれる、最澄のともした1200年間一度も消えることなく輝き続けている「不滅の法灯」も見ることができました。


歴史等の説明をいただいた大講堂
歴史等の説明をいただいた大講堂


根本中堂
根本中堂


Ⅳ 京都盆地を一望できた将軍塚青龍殿


延暦寺見学後、本研修最後の見学場所である京都東山の将軍塚青龍殿を訪れました。近年整備が進められたこの場所は、東山の新しい観光スポットとして注目されているそうです。透明の茶室のある木造の大舞台からは京都市内を一望でき、また隣接する展望台からは遙か大阪のビルまで遠望できました。これも好天に恵まれたお陰でした。


将軍塚と青龍殿
将軍塚と青龍殿


木造の大舞台からは京都市内が一望できる
木造の大舞台からは京都市内が一望できる


研修を終えて


平成27年秋季研修会につきましては、長い歴史と伝統が息づく京都市における交通対策を視察研修することができるということで、興味深く参加をさせていただきました。私どものまち府中市では、現在、市の表玄関である京王線府中駅南口において大規模な再開発事業が進められています。

たくさんの世界遺産や文化財を有する京都市とは比較にならないものの、府中駅周辺には、市のシンボルである天然記念物「馬場大門けやき並木」があり、市ではけやき並木の保護とともに中心市街地の活性化に向け腐心しているところです。弊社が管理する駐車場も、将来的にはけやき並木の車両通行制限等を踏まえた管理形態が求められていることから、今回の研修で京都市の先進的な試みを現在進行形で拝見することができ、大変勉強になりました。

京都市の取り組みは、既設の車道を狭めて歩道の快適さ生み出すというダイナミックな発想であり、経済と環境の両立という意味では私どもの事業運営に資することも多いと思われますので、今後とも本事業の成果を注視してまいりたいと考えております。

最後に、このような研修会を企画していただいた事務局の方々に改めて感謝申しあげるとともに、参加者の皆様にも御礼を申しあげます。ありがとうございました。

 
 

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